Google AdSenseで収益化を始める際、国際的な税務情報の申請は避けて通れません。
特にシンガポール税務情報の登録は、適切に行わないと収益が正しく支払われない場合もあります。
この申請が必要な理由は、Google AdSenseの広告収入に対し、2か国(シンガポールと日本)の二重課税を回避するためです。
申請の際、税務署から書類をもらう必要もあり、待ち時間含め14日間ぐらいはかかることも頭に入れておいてください。
本記事では、初心者でも分かりやすく申請の概要や手順を解説します。
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Google AdSenseの税務情報とは?初心者にも分かる基本のキホン
Google AdSenseで得られる収益は、課税対象として税務申告が必要なケースがほとんどです。
国際的な税務規則に従うためには、居住国や収益の性質に基づいた正確な税務情報をGoogleに提供することが求められます。
しかし、特に初心者にとっては「税務情報」と聞くだけで複雑そうに感じることも少なくありません。
シンガポールだけではなく、アメリカにも税務情報を申請する必要があります。
申請方法については、こちらの記事をごらんください。
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【Youtube・AdSense】米国税務情報提出までの手順
Googleアドセンスの税務情報提出に必要なW-8BENフォームの記入方法や、初心者が押さえておくべき税務申告のポイントをわかりやすく解説します。税務手続きをスムーズに行い、収益を最大化するための基礎 ...
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ここでは、Google AdSenseの税務情報の基本について解説しながら、なぜシンガポールでの登録が重要なのか、そして未登録のままだとどういった影響があるのかを具体的に説明していきます。
シンガポール税務情報を登録する必要性とは?
Google AdSenseで収益化を行う際、税務情報の登録は国や地域によって異なるルールが適用されます。
シンガポールでは、国内で収益を受け取るユーザーが納税義務を果たす必要があり、このためGoogle AdSenseも税務情報の登録を求めています。
日本とシンガポールは「租税条約」というものを結んでいます。
租税条約は、課税関係の安定(法的安定性の確保)、二重課税の除去、脱税及び租税回避等への対応を通じ、二国間の健全な投資・経済交流の促進に資するものである。
税務情報を登録しないと、デフォルトの税率が適用され、本来よりも高い税金が引かれてしまう場合があります。
また、未登録が続くと支払いが保留されるリスクもあるため、早めの登録が重要です。
未申請だとどうなる?税金の影響とペナルティを解説
税務情報の申請を行わない場合、Googleは収益の一部を源泉徴収として差し引きます。
例えば、登録を怠ると最高30%の税率が適用されるケースもあるため、収益に大きな影響を与える可能性があります。
さらに、税務当局から罰金や追加請求を受けるリスクもあります。
正しい税務情報を登録することで、必要以上に税金を差し引かれるリスクを回避でき、収益の最大化が可能です。
Google AdSense シンガポール税務情報の申請に必要な準備
シンガポール税務情報の申請には、以下の書類や情報が必要です。
これらの情報を事前に準備しておくことで、申請手続きがスムーズに進みます。
必要なもの | 必要数 | 内容 |
居住者証明書交付請求書 | 2枚 | 税務署用/自分用 |
身分証明書のコピー | 1枚 | マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、国または地方公共団体の機関が発行した顔写真付きの身分・資格証明書等 |
封筒 | 2枚 | ※郵送の場合のみ 発送用/返信用 |
110円切手 | 2枚 | ※郵送の場合のみ 発送用/返信用 |
封筒のサイズは「長径3号」タイプで大丈夫です。
また、居住者証明書交付請求書への入力をパソコンで行う場合は、PDFを編集することになります。
Microsoft Edgeで入力ができない場合は、AdobeのAcrobat Reader(無料)をインストールしておきましょう。
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Acrobat Reader
Download free Adobe Acrobat Reader software for your Windows, Mac OS and Android devices to view, pr ...
公式サイト
居住者証明書の入手について
居住者証明書の入手には、10日ほどの日数がかかりますので、早めに入手しておきましょう。
居住者証明書の入手手順は以下のようになります。
居住者証明書交付請求書をダウンロードする
居住者証明書交付請求書は国税庁のホームページからダウンロードできます。
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国税庁 居住者証明書の請求
公式サイト
「居住者証明書および交付請求書の様式」→「1 租税条約等の締結国に租税条約に基づき提出する場合」の項目にある、
「居住者証明書交付請求書・居住者証明書(租税条約等締結国用)入力用(PDF/211KB)」
をダウンロードします。
※印刷用は手書き用です
ダウンロードは、テキスト部分を右クリックで「名前を付けてリンク先を保存」するか、
テキスト部分を開くとPDFが開くので、ダウンロードボタンをクリックし、保存します。
「居住者証明書交付請求書」に必要事項を入力する
- 住んでいる管轄の税務署名
- 記入日
- 住所(日本語と英語)
- 氏名(日本語と英語)
- 電話番号
- 提出先の国名等
- 上記3つすべてにチェックを入れる
- 証明書の請求枚数
この書類では、日本語入力だけでなく、英語での入力も必要になります。
以下に必要箇所の補足説明をしていきます。
①住んでいる管轄の税務署名
お住まいの管轄税務署を入力します。
解らない場合は、以下の国税局のサイトで、郵便番号や住所から検索できます。
-
国税局・税務署を調べる
公式サイト
③住所(日本語と英語)
英語での住所入力は、簡単に言うと日本語と逆となり、建物名→(番地)町名→市町区村→都道府県となります。
国名と郵便番号は記載しません。
「君に届け!」というサイトでは日本語で打ち込んだ住所を英語に変換してくれますので、慣れない方は活用してください。
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キミに届け
日本語の住所を3パターンの英語表記に同時変換します。分かりにくい海外サイトへの会員登録や手紙や小包を国際便で送る際の宛名・差出人などにぜひご活用ください。
サイトを見る
サイトから住所をコピペする際は、改行されているので、1行になるようにしましょう。
④氏名(日本語と英語)
氏名は入力欄上から3パターンで入力します
- カタカナ
- 漢字
- ローマ字
⑥提出先の国名等
提出先の国名等の項目は1段で2か所入力できるようになっています。
「シンガポール」「Singapore」(日本語と英語)と、それぞれ入力してください。
⑧証明書の請求枚数
証明書の請求枚数の入力欄には、欲しい居住者証明書の枚数「1」を入力します。
ここで注意なのが、このあとの印刷枚数です。
提出部数は自分用と税務署保管用が必要になります。
2枚欲しい場合は、自分用(2枚)+ 税務署保管用(1枚)の合計3枚が必要となります。
「居住者証明書交付請求書」提出方法
提出に必要なものが用意できているか確認しましょう。
必要なもの | 必要数 | 内容 |
居住者証明書交付請求書 | 2枚 | 税務署用/自分用 |
身分証明書のコピー | 1枚 | マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、国または地方公共団体の機関が発行した顔写真付きの身分・資格証明書等 |
封筒 | 2枚 | ※郵送の場合のみ 発送用/返信用 |
110円切手 | 2枚 | ※郵送の場合のみ 発送用/返信用 |
提出方法は以下のようになります。
- 直接税務署に書類を持っていく
- 郵送で書類を送る
私は、郵送で書類を送りましたが、手順としては
返信用封筒には、自分の住所や名前を記入し、裏面(送り手となる税務署)には何も書きません。
返信用封筒には切っても貼り付けておき、書類と同じく三つ折りにして郵送用封筒に入れます。
郵送先は管轄税務署ではなく、国税局業務センターでの取り扱いとなる場合があります。
管轄税務署のページで申告書等の郵送先についての記載があるので、確認して送るようにしましょう。
-
税務署の所在地などを知りたい方
公式サイト
封筒 | 表 | |
---|---|---|
郵送用 | 管轄税務署郵便番号・住所 (○○税務署 御中) | 自分の郵便番号・住所・氏名 |
返信用 | 自分の郵便番号・住所・氏名 (氏名 行) | 記入不要 |
返信用の自分の氏名には「様」ではなく「行」と書きます。
「行」は返信用の宛先として自分に使う書き方で、返信で帰ってくるときには、二重線が引かれ「様」で送られてきます。
Google AdSense シンガポール税務情報の申請手順
居住者証明書交付請求書が手元に準備できたら、Google AdSenseで申請を行います。
居住者証明書交付請求書をデータ化する
居住者証明書交付請求書は紙ですので、スキャンもしくはスマートフォンのカメラでデータ化する必要があります。
以下の形式でデータ化しておきましょう。
データ | 内容 |
---|---|
ファイルサイズ | 50MB未満 |
ファイル形式 | .jpg/.png/.pdf |
色 | カラー |
Google AdSense アカウントにログイン
データが用意できたら、Google AdSenseアカウントにログインします。
ダッシュボード画面で左メニューから「お支払い」クリックし、「お支払い情報」を開きます。
税務情報の管理を開く
「お支払い情報」を開き、以下の注意メッセージがあれば、「税務情報の追加」をクリックします。
メッセージが表示されない場合は、「お支払い情報」内下段に「設定」があるので、「設定を管理する」をクリックします。
「お支払いプロファイル」の項目に「シンガポールの税務情報」があります。
ペンのアイコンをクリックすると、「税務情報の管理」が表示されるので、クリックします。
税務情報の追加を入力する
「税務情報の管理」のページが開きます。
このページにはアメリカの入力欄もありますが、下にシンガポールの項目があります。
「税務情報の追加」ボタンをクリックします。
始める前に注意事項が表示されます(所要時間 5~10分)
確認したら「フォームを開始する」をクリックします。
ここからは入力作業になりますので、以下を参考に進めていきましょう。
項目 | 選択 |
---|---|
業種 | 個人であれば「個人の運営者」 |
シンガポールでの恒久的施設を所有 | いいえ |
シンガポールの物品サービス税(GST)登録 | いいえ |
課税免除 | はい |
税法上の居住地 | 日本 |
居住者証明 | 「税法上の居住地の証明書」 |
「アップロード」をクリックし、居住者証明書交付請求書のデータをアップロードします。
最後に「送信」をクリックします。
送信が完了すると「税務情報の管理」の画面に戻ります。
シンガポールの税務情報のステータスが「承認済み」となっていますが、画面上部に戻ると「税法上の居住地」に関しては、ステータスが「審査中」となっています。
メールでも「税法上の居住地における税務情報を変更しました」とメッセージが届きます。
受理されると、またメールでお知らせが届きますが、3~7営業日程度かかるとされています。
受理後は、Googleアドセンスにログインし、ステータスを確認しましょう。
まとめ
シンガポール税務情報の申請は初めての方にとって難しく感じるかもしれませんが、手順を追えば簡単に完了します。
私は12月になって申請したのですが、税務署に郵送してからは1週間で届き、Googleアドセンスの審査も2日で終わりました。
実際に書類提出と聞いて、手間がかかるなとは思いましたが、実際にはスムーズに進めることができました。
シンガポール税務情報申請を行い方は、この手順を参考に進めてみてくださいね。
アメリカの税務情報申請方法については、こちらの記事をごらんください。
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【Youtube・AdSense】米国税務情報提出までの手順
Googleアドセンスの税務情報提出に必要なW-8BENフォームの記入方法や、初心者が押さえておくべき税務申告のポイントをわかりやすく解説します。税務手続きをスムーズに行い、収益を最大化するための基礎 ...
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